ジーコが最も慎重に、そして最も熱く、声の調子を上げて語ったのは、カズの起用法についてだった。
「カズの調子が今ひとつなことを非難し、騒ぎ立てるのは愚かなことだ。そしてまた、カズを先発の11人から外し、ベンチに置くことも私からすれば大きな間違いとしか思えない」
ジーコが想定する日本のベストの布陣には、カズが不可欠な存在だという。…
「カズのプレーの素晴らしさはだれもが知っているところであり、彼は今、最も円熟した年齢にある。W杯でプレーするカズを見ることは私にとっても誇りであり、カズはそれにふさわしい選手だ」。…
「カズは日本代表の中では世界を知っている最も経験豊富な選手であり、相手にとって最も危険な選手だ」。…
「W杯がごく短い期間に行われるものだということを決して忘れないでほしい。そういう短期決戦では、たったひとつのゴールがチームの運命を分ける。カズはこの10年間、日本の最高の選手であり続けてきた男だ」。…
そして、ジーコはカズ、呂比須のツートップに中田を絡めて攻撃陣の核とすることが日本にとってベストだと指摘した。
「カズ、中田、呂比須を3人そろえて使うことが、彼らの才能を十分に発揮させるポイントであり、また、そうでなければならない」。
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