マジに語ってしまいます! 

王者ヴェルディと呼ばれてから、そんなに月日は経っていないというのに、
今のヴェルディの状態は、どうしてしまったのでしょう。
自分なりの意見をつらつらと語ってみたくなりました。
もしよければ、おつきあいください。

 

 

私が思うヴェルディの今の状態(その1)
「背骨ラインの崩壊」
(1998.1.5)

途中、調子の波があったとはいえ、Jリーグ発足から、その強さを見せつけ「王者」の名を欲しいがままにしていたヴェルディ。
その強さを支えていたものの1つに、強力な「背骨ライン」の存在があったと思うのです。選手の出入りによって多少の変更もあったけれど、その背骨ラインは、次のようなものだったと思います。

   KAZU−ビスマルク−ラモス−ペレイラ−菊池(新)

93年〜95年シーズンにかけては、多少変更があったかもしれないけれど、大半の時期をこの背骨ラインを中心にしながら、その他のメンバによって攻守のバリエーションをつけて戦っていたような気がします。
けれど、その最後の95年、チャンピオンシップに臨んだヴェルディは前期優勝チームのマリノスに徹底的に守られて、その守備を崩しきれずに年間チャンピオンになれませんでした。
シーズン中から、当時の監督ネルシーニョも、
「相手は必ず守ってくるので、その守備をいかに崩すかが問題だ」
と述べていたことを思い出します。

そこで、翌シーズンの96年。まずは守りを固めてくる相手チームを、さらに強い攻撃力でうち破っていこうと、ネルシーニョ監督は前目の選手を強化、FWトニゼッチとMFカイコを獲得したんですよね。(なんだか、名前を聞くと懐かしいなぁ〜)
でも、その影響で、背骨ラインの一角が崩れることになってしまったのです。そう、ペレイラが解雇されたんです。(余談ですがこの間、某空港でコンサドーレの一員となったペレイラを見かけましたが相変わらず、かっこよかったですよぉ〜)
結果として、背骨ラインは次のようになってしまいました。

   KAZU−ビスマルク−ラモス−○○−菊池(新)

この状態でスタートした96年シーズン。
もちろん、攻撃面でのコンビネーション等にも問題があったけど、ペレイラの抜けた穴が大きくって、結局、ネルシーニョはチームを去ることになってしまいました。

ここで、とにかくチームの建て直しを早急に図るべく、登場したのがレオン監督。
けれど、ここでまたもや、背骨ラインから1人選手が抜けることになりました。ラモスの移籍です。結果、背骨ラインは次のような状態になりました。

   KAZU−ビスマルク−○○−○○−菊池(新)

こういった状態でシーズン途中から立て直しにかかったヴェルディだったけど、レオンのとった戦術の理解や実現に手間取ったこともあって、かろうじて天皇杯で優勝し、最低限の面目を保ったとはいえ、結局、Jリーグシーズンは思ったとおりの結果が出ずに終わってしまいました。

そして、加藤久氏を監督に迎え、「ダイナミックヴェルディ」といったスローガンのもと、新たな気持ちで、「王者」への道を歩もうとした97年シーズン。またもや背骨ラインが崩れるようなことが起こりました。
そうです、ビスマルクの退団です。(そのときは、結構ショックでした…)
もともと久さんの構想の中に、ビスマルクは存在してたんですよね。でも、レオン時代からのいろいろな状況も影響して、ビスマルクとの契約が決裂してしまい、結果、「背骨ライン」はまたもや弱くなってしまいました。

   KAZU−○○−○○−○○−菊池(新)

その上、97年シーズン開幕直前、ゼロックスカップで新吉さんが足を負傷。戦線を離脱してしまいます。さらに言えば、トップのKAZUも、日本代表のスケジュールでチームを空けることが多くなり、数少ないチームとの期間も、肋骨や足首の怪我といったアクシデントで、ほとんどまともに参加できない日々が続きました。

結局、97年のナビスコ予選はもちろん、97年シーズン前期での「背骨ライン」は次のような状態。

   ○○−○○−○○−○○−○○

ほんと、見事に「そして誰もいなくなった」という状態ですねぇ〜。

そして、97年の後半になって、やっと新吉さんが復帰。KAZUも、万全の体調ではないにしろ、チームでの試合に出場はできるようになり、なんとか、「背骨ライン」は次のような状態に戻ったように見えます。

   KAZU−○○−○○−○○−菊池(新)

けれど、こういった状況では、とくにフィールドプレーヤーであるKAZUに負担がかかるだけで、とてもチームとして機能することは難しい状態になってしまっているのではないでしょうか。

こうやって見てくると、ヴェルディの今の状態は、「背骨ラインの崩壊」の経過に連動するような形で起こっているような気がしてなりません。(もちろん、それ以外の要因も多々あるでしょうけれど…)

そして、こういった「背骨ラインの崩壊」に対して、フロントやスタッフがほとんど抜本手的な対応をしてこなかったことが、現在の状況を生み出してる最大の原因だと思うのです。

特に中盤のパサー不在、最終ラインのまとめ役不在の穴をどうするのか、いまだに、その策が私からは見えません。
また、選手の方にも、とくに若手と言われる選手にも問題があると思います。
こういった背骨ライン状態が続いている中、97年当初、久さんによって、若手選手には多くのチャンスが与えられたと、私は思っています。

一部のファンの間では
「ヴェルディは、若手にチャンスがなかなか与えられない。もっと、若返りを図るべきだ」
といった声も聞かれますけど、少なくとも97年当初は、崩壊した背骨ラインの一角を奪い取るチャンスが若手選手には十分あったし、事実、ナビスコカップをはじめ、実際にチャンスは与えられましたよね。
でも、選手の方も、そのチャンスを生かし切れなかったんです。
「勝利」といった結果が出せなかったとともに、チャンスが与えられたにも関わらず自己管理不足で怪我をしたり、コンディションを崩したり…。

とにかく、この崩壊した背骨ラインの再構築と強化を、チーム「ヴェルディ」として、きちんと行って欲しいと思っています。

 

 

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