●KAZUの存在感は、やっぱスゴイね!(1998.7.5)
「カズ、プレミアリーグ移籍へ」の文字が1面を飾ったスポーツ新聞を新幹線の中で読みながら、そのKAZUの姿を見たくて友達と新潟まで行ってきました。
午後1時ごろ、新潟市営球技場に着くと、あいにくの曇り空…そのうち、ポツポツと雨が降り出すような天気。
けれど、次々と人が集まってきて、警察官も「こんなにたくさん出てるのぉ?」と思うくらい。
関東近県に住んでる私たちにとっては、ちょっと異様な雰囲気を感じました。
「KAZUが来る!」…そんな目に見えない雰囲気がすでに1時頃から漂ってる感じです。
午後2時開場。4時キックオフの試合を見に、観客も次々と入ってきます。
天気の方は、一進一退…雨が降ってきたと思うと、晴れ間も見えて、でもまた雨。
そんな中、急いでご飯を食べて、午後2時半過ぎ。
メインスタンド前列2列目に座っていた私たち。
そのメインスタンド下に、何やら、椅子が並べられ、雛壇のような特設がなされ、記念写真を撮るような感じです。
そうこうしているうちに、お揃いのユニを着た沢山の子供たち。
たぶん、地元の少年サッカークラブ…7チームくらいの子供たちが次々と出てきます。
そして、地元アルヴィレックス新潟(ヴェルディの対戦相手)の選手達と一緒に、流れ作業的ではありましたが、次々と記念写真を撮り出しました。
「そうかぁ〜、地元のJFLチームと、地元の少年サッカーチームとの記念撮影かぁ〜」と思いながら見ていると…、
「うわっ!」
私服のままヴェルディの選手達が歩いてくるじゃあありませんか?
「ゾノだ!」「き〜ちゃんだ!」「テツさんだ!」
そのたびに、メインスタンドは色めきたちます。
私たちにとっては、ほんとに、眼下2mくらいのところを選手達が通っていくのですから、こんなにおいしいことはありません。
前園、テツさん、き〜ちゃん…それにニカノール。先ほどの記念写真をとる位置までやってきて、前列の椅子にみんな座ります。
ヴェルディの選手達との記念写真に地元少年サッカーチームの子供達も嬉しそうです。
そして…前列真ん中に座ったニカノールの左となりの席だけが空いています。
その記念写真を仕切っていた係の人が叫びます…。
「あとは、KAZU。KAZUだけです…KAZUは?」…と。
メインスタンド柵の部分に詰め寄っていたファンの目は1点に。
そして、KAZUが登場!!
メインスタンドのファンから一斉に「カズ! カズ!」の歓声が飛び、記念写真を待つ子供たちも、ちょっとせわしなげです。
トレードマークになりつつあるハンチング帽をかぶり、紺のシャツにベージュ系のネクタイ、ベージュ系のズボンという格好。
あいかわらず、おしゃれで、ものすごい存在感です。
ニカノールの左隣に座り、1枚目の記念写真。パチッ!
カメラマンは、「はい、次。次のチーム、入って入って、はい、並んで!」
でも、今撮影したばかりの子供たちは、KAZUと握手したくて、KAZUにさわりたくて、なかなかその場を離れません。
それでも、その場をどかなくてはならなくて、みんな、KAZUの背中にタッチしたり、KAZUの肩に触ったり…。
見ている私たちは、思わず笑っちゃいます。
さて、2つ目のチームの子供達と記念写真…と思っていたら、なんとか、やんでいた雨が…「ポツッ! ポツッ!」
見た目にはわからないほどの雨粒が…!
そしたら…思わず、笑っちゃいました!!
誰よりも早くKAZUが席を立って、「雨だよ!」って感じで…。
「雨に濡れたくないんだなぁ〜、KAZU…(笑)」
友達と、思わず顔を見合わせて笑っちゃいました…。
結局、その後は、スタンド下のスペースに移動して記念写真の撮影がおこなわれたみたい。KAZUの姿は見えなかったけど、次々と入れ替わる子供たちが、KAZUが座っているだろう位置でワイワイやっている様子だけは、見ることができました。
KAZUの人気は、あいかわらず…っていうか、ものすごい感じでした。
そして、午後3時半ごろ。ヴェルディ、アルヴィレックス、両チームの練習が始まりました。
いつも、最後に登場するKAZU。
この日も、そんな感じで練習風景を見守りましたが…。
「あれっ! KAZUがいない!」
KAZUが1人だけ、試合前のウォーミングアップに参加していません。
友達と、
「う〜ん、今日はKAZU出ないかもね。試合に10分でも出るつもりなら、絶対、ウォーミングアップはするもんね。それをしないってことは…う〜ん、今日は出ないんじゃないかなぁ〜」
と話していると、案の定、試合前15分でのスタメンアナウンスに、KAZUの名前はなし。サブメンバとしてコールされました。
そのときの、スタジアムの落胆の声と、ベンチといいながらも「三浦知良」の名前が呼ばれたときの歓声もひときわでした。
新潟市営競技場は満杯状態…あいにくの雨だというのに、スタジアム最上段をグルッと囲む立ち見の観客…うわぁ〜、壮観!
そんな中選手入場…もちろん、KAZUはベンチに入る。その時ですら、後ろ姿のKAZUに「カズ! カズ!」の声援が飛びます。
そして、目慣れているはずの私もビックリするほどのカメラマンがベンチに座るKAZUに、フラッシュの嵐を浴びせます
…。
試合内容は…というと、「う〜ん、大丈夫かねぇ〜」という出来で、なんと前半は1−0の、アルヴィレックスリードで終了します。
KAZUがベンチから出て、メインスタンドの方へ歩いてきます。
鈴なり状態の観客からの多くの声援に、右手を挙げて応えるKAZU。
そのとき上がった「わぁ〜」という歓声は、もしかしたら、試合中に上がった、どんな観客の声よりも大きかったような気がします。
ハーフタイム。ヴェルディのサブメンバがグラウンドでウォーミングアップ。
その場面にも、KAZUはいませんでした。
やはり、この日のKAZUの出場はないな…そう友達と確信しました。
そして、後半。再びベンチに入るKAZU。
「試合が始まる前に、あんなに沢山、写真をとったっしょ!」って叫んじゃうほどまたまた、ベンチ前に集まる沢山のカメラマンたち。
何枚、同じような写真をとる気でしょう??(笑)
後半、追加点をとられ、「あちゃー!」と思ってましたが、まずは、CKからのヘッドで1点返し、後半も30分くらいきたでしょうか?
バックスタンドの一団から、「カ〜ズ!チャチャチャ!(拍手) カ〜ズ!チャチャチャ!(拍手)」といった声があがり始め
ます。
すると、それが自然とスタジアム全体に広がり、ほんとうにスタジアム全体が、「カ〜ズ!チャチャチャ!(拍手)」状態に…。正直、結構、背筋にブルブルって感じになりました…雰囲気が…。
応援団長みたいな人がいるわけでもなく、応援を仕切る人がいるわけでもない。ごくごく一般の人たちから、自然にわき上がってきたKAZUコールには正直、「この雰囲気は異様だ…」と感じました。
すでにヴェルディ側は、交代3人を使い切っていたにもかかわらず、再び40分ころ、スタジアムに、そのKAZUコールが広がります。ある所からは「ニカノールのうそつき!」の声すらもあがって…。
試合は、何とか同点においつき2−2で終了。
アルヴィレックス新潟サイドとしたら、「善戦」ということになるのでしょう。そして、もちろんヴェルディサイドとしては、ふがいない出来…。
引き上げてくる選手の中で一番険しい顔をしていたき〜ちゃん。ほんとに悔しそうでした…。
KAZUは……というと、本来なら、いの一番にスタンドの方へ下がるのでしょうけど、1人、ベンチに残るよう、係の人からストップがかかりました。
アルヴィレックス側のインタビューを待って、場内にアナウンスが流れます。
「ここで、ヴェルディを代表してKAZUさんより皆さんにメッセージをいただきました。本日は、試合に出れずに申し訳ありません。25日から始まるリーグ戦で、かならずいいプレーをお見せできるよう頑張りたいと思います。本日はありがとうございました。」
KAZUが両手を上げ、スタジアムのみんなに手を振ります。って言っても、カメラマンや報道陣が、KAZUをグルッと5重6重に取り囲んでいるので、両手と金髪の頭しか見えないのですけど(笑)。
当然、観客からは、ものすごい声援が飛びます。やっぱスゴイや!
結局、試合には出場しませんでしたけど、KAZUの存在感とオーラに友達ともども、しっかり打たれて帰途につきました…。
実は、帰りの新幹線。KAZUたち選手と同じ電車でした…。新潟駅でも、東京駅でも、しっかりKAZUとご対面!!
なんだか語りたくなっちゃいますけど、この話は、長くなることだし、秘密ということで…(笑)。
ただ東京駅でのKAZUの手には、だれかファンの子からもらったのか、しっかり「くまのプーさん」のぬいぐるみが握られてましたよ(笑)。
ってなわけで、帰りの電車のことも含めて、なんだか、お腹いっぱい胸いっぱいで私たちの新潟ツアーは終了したのでした。
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